入園入学祝いにもオススメ!高いけど素晴らしい「さんすうだいすき」を読んでみた



筆者の長女は今年の4月からめでたく小学生になります。さほど就学前教育には熱心でなかったのですが、聞けば最近は小学校入学前にひらがなの読み書きがおおむねできるのは当たり前、簡単な算数にも手をつけている子が多いと言うではないですか。筆者が子どものころなんて、幼稚園児は皆食べてたか寝てたか遊んでたかのどれかだったのに、最近の子は大変なのですね(;´・ω・)

春休みの間に小学校の算数の準備をしてみる

確かに、お勉強も出だしでつまづくと嫌な印象を持ってしまいがち。そういう意味では「ちょっとだけ先取り」して予習しておくのもいいかもと思い、とりあえずシンプルな計算問題(百ます計算、のプレ!)を買ってきて、春休みの間に解かせてみることにしました。


陰山メソッド徹底反復「プレ百ます計算」―百ます計算をはじめる前にとりくむ本! (教育技術MOOK 陰山メソッド)

シンプルで取り組みやすかったのですが、何せ長女は足し算も引き算も、両手の指を使って計算するビギナーもビギナー。プリント1枚を終えるのにも時間がかかる(10分~15分)上、どうも「10」という単位がどういうものなのか(「5が2つで10」とかいう考え方ですね)が、いまいちピンときていない様子。

餅は餅屋だ!賢い子を持つママに聞いてみる

10以上の足し算引き算になると完全に難儀し始めた娘に、どうにか10という数字感をつかんで欲しいと、おはじきやらお金やらで説明するものの、伝わっているような、そうでもないような……。

そこで、教育熱心な仲良しのママ友に相談してみることに。ママさんは「まかせて!いいのがあるわ」とこちらの本を貸してくれました。


さんすうだいすき 全10巻

A4サイズで1冊50ページほどあるので、なかなかボリューミーです。何気なく本の裏を見たら1冊2,400円(税別)って書いてあって「ひえっ」ってなりましたが、その価値は十分にあると思います。

「さんすうだいすき」の素晴らしいところ

この「さんすうだいすき」は、子どもにもわかりやすいよう絵や簡単なことばを使って、算数に関する基礎的な概念を、何度も繰り返し教えてくれる絵本です。

「これはこういうことです」→「じっさいにやってみましょう」→「わかるようになりましたね!すごい!」という体験を、子どもたちが得やすいよう随所に工夫がなされています。対象は3歳以上~小学校2年生くらいまでなので、入園や入学祝いにもオススメです。

算数の問題集や参考書は数多くあれど、この「さんすうだいすき」は趣が異なります。計算式も出てきますが、その前に「この数字や記号はどういうものなのか」という説明をていねいに書いてくれています。

例えば「6」はどんな数か、という説明に「5より1おおいかず」と書いてあります。「6」という数字を、いつも指を折り曲げて「1,2,3,4,5,6」と数えていた長女には、この考え方が新鮮だったようで、「なんだ~そういうことかぁ」と一人納得していました。

長女がつまづいていた「10」は、卵パック1ケース、という説明でした。「23」は卵パック1ケースが2個と、ばらが3。これで長女はだいぶ10以上の数のイメージをつかみやすくなったようです。

このあたりの数字の話が出てくるのは6巻。1~5巻もとても勉強になるので全巻セットで読むのがイチオシですが、6歳以上のお子さんであれば、6~10巻だけでも良いかもしれません。


さんすうだいすき 第6巻 かずってなんだ?(2)6から99まで

国語は好きだけど算数は嫌い、というお子様にも良さそう

絵本であって問題集ではないので、本を読むのは好きだけど算数は苦手、というお子様にも、受け入れやすいシリーズだと思います。長女はこのタイプでしたが、毎夜「これ読んで!」とこの本を持ってきます。問題はところどころ難しいようですが、クイズ感覚なのかとても楽しそうです。

そして意外と親も「ん?」と考えさせられる問題があったりして、親の方も頭の体操になっております!

少々お高いですが大変オススメ。お祝いにも!

全巻そろえると2万5千円くらいするので「ひえぇ」な値段ではあるのですが、算数の一番基礎の感覚を身に着けるには、これはうってつけの教材だと思います。時代遅れになることがない内容なので、ご兄弟や親族がいる方はガンガン使いまわせます。お友達に貸してあげてもきっとすごく喜ばれます(*´▽`*)本ががっしりと重く紙も上質なので、お祝いで贈るのにもふさわしい一品かと。

長女は今6巻まで読み終えたところです。今のところ内容はほぼ理解できているようですが、後半はかけ算も出てくるので、ちょっと難しくなるかも。とはいえ、「ちょっとした先取り学習」には十分すぎるほどです。

算数はセンスも必要といいますが、センスってつまり「数字の感覚」が身に着いているということではないのでしょうか。この本は、小さな子にその「感覚」を覚えさせるのにとても役立つと思います。ご興味のある方はぜひ手に取ってみてくださいね。


さんすうだいすき 全10巻