留学や海外駐在に持っていくと、何かと便利な「着物」。子どもなら学校のイベントに、大人ならパーティに着ていくと、話のきっかけを作れます。
「でも着物の着付け方も着方もわからないし…」
という方のために、今回は「誰でも気軽に着られる和装」をご紹介したいと思います。
Contents
子どもの着物
甚平
着せやすく洗いやすい甚平。下はゴムのパンツなので動き回っても安心です。
夏の時期であれば、スーパーやショッピングモールで様々な種類の甚平が売られているので、気に入ったものを一着持っていくといいかもしれません。
セパレート浴衣
女の子であれば、サマードレスに上衣(羽織)がセットになったセパレート浴衣もオススメです。ワンピースを着せて上をはおらせ、兵児帯をリボン結びしてあげればOK。
たまに聞かれることがあるので蛇足ながら書いておくのですが、お子様の足元は無理に下駄でなくとも大丈夫だと思います。スニーカーなど、履きなれたものの方が快適ですし、コケにくいですしね。浴衣の色合いに合わせたスニーカーだと、足元だけ悪目立ちするのを避けられますよ。
ちなみにセパレート浴衣、実は結構大きい子のサイズまでありますので、
中高生の「自分で着たい」とか「文化祭で着たい」みたいな要望にも対応可能です。
袴セット
個人的にイチオシなのがこのウエストがゴムタイプの袴セット。
上衣を着せて、下からスカートのように袴を履いて、リボンを結べばできあがり。浴衣のようにはだける心配も少ないですし、ウエストゴムなので着心地も快適です。
ベビちゃん用もあります。可愛いof可愛いです。
大人の着物
大人の場合もいくつかの選択肢があります。
セパレート浴衣
実はセパレート浴衣は大人用もありまして、こちらは下部分がスカートになっているタイプです。
サマードレスタイプもあります。どちらのタイプでもお好みで良いと思います。
帯ってどうするの…?
着物(長着)はセパレートを着ればいいとして、帯はどうするのかという問題がございます。
帯はこういった半幅帯と呼ばれるものを利用するのが一般的です。
浴衣の帯の結び方については、たくさんの動画が投稿されていますし、気合入れたら自分でできるという方もいらっしゃるかと思います。
ご参考までに、一番基本の結び方である「お文庫結び」の方法を解説されている動画を貼ります。
これを観て「あかん」と思われた方、大丈夫、他にもいろいろ手はあります。
例えば、「作り帯」というものを利用する方法です。ベルトのように帯を巻いて、その上にすでに形ができているリボンを挿したらできあがりです。
簡単でいいのですが、この作り帯、問題が2つほどありまして。
1つ目は、リボン部分が固定されているのでかさばるということ。
2つ目は、リボンの形を変えられないので、着られる方の身長や体格によってはアンバランスに見えてしまう可能性があるということです。
なので個人的には、こういった大人用の兵児帯でリボン結び、というのが失敗も少なく良いのではなかろうかと思います。
リボン結びでも十分可愛いと思いますが、兵児帯はアレンジも可能ですし、少々アレンジが失敗したとてわかりにくいので(ここ大事)使い勝手が良いですよ。
セパレート着物
「いや私寒い国に行くんで浴衣だと凍えます」という方、ご安心ください。セパレート浴衣のお友達、セパレート着物も数は少ないながらも存在します。
本当に数が少ないので、気に入った柄があったら即ゲットをおすすめいたします。
帯はどうするのアゲイン
着物の場合でも、浴衣と同じく半幅帯や兵児帯が使えますが、少しカジュアルな印象になります。
名古屋帯でお太鼓結びなどいたしますと、格が少し上がりましてちょっとしたパーティなどにもお召し頂けるように。
お太鼓も作り帯がございます。帯締めと帯揚げでキュッと体にフィットさせる分、半幅帯の作り帯より違和感が少ない(パッと見では作り帯かどうかわからない)気がしております。
ここで「着物の格」についてものすごくおおざっぱに説明しますと、
- 浴衣+半幅帯/兵児帯:カジュアル~スマートカジュアル
- 着物+半幅帯/兵児帯:スマートカジュアル
- 着物+名古屋帯:スマートカジュアル~カジュアルエレガンス
こんなイメージになっております。とはいえ、外国にいて、外国のイベントやパーティに参加する時であれば、格についてそこまで厳密に気にしなくても良いのではないかと。
着物は必要な小物が多い
一点お気をつけ頂きたいのが、浴衣と違って着物は小物がいくつか必要になるというところです。
和洋折衷スタイルで着るのでなければ、最低限以下のようなものが必要です。
- 半襟のついた長襦袢
- 腰紐(になるもの)
- 帯板
- 足袋
- お太鼓結びであれば帯揚げ・帯締め・帯枕
書きながら読者さんが「面倒そうなのでもういいです次お願いします」という気分になっているのではと思い始めていますが、ここまで来たので一応最後まで書き切ります。
セパレート着物と帯だけでは完成しないので、こちらのような長襦袢および着付け小物セットと、
お太鼓結びをするなら(作り帯であっても)こんな感じの帯揚げ&帯締めセットが必要です。
ちょっと大変ですが、ここまできっちりそろえて頂けると、セパレート着物+作り帯であっても、ごく一般的な手順で着物を着たときと、ほとんど変わらぬ見た目になれると思います。
ただまぁ、その、個人的にはここまで小物をそろえて頂けるなら、「動画観て練習するか、1日着付け教室あたりに行って普通に着物着られるようになっちゃいません…?着物の選択肢めちゃくちゃ増えますよ…?」と布教を始めたい気持ちになって参ります。沼までちょっとご一緒しませんか。
二部式着物
そこまで本格的じゃなくていいねん、という方にオススメなのが二部式着物です。
巻きスカートと上衣に分かれていて、帯なしで着られる着物です。
帯が無い分着るのが簡単ですし、下はシャツやタートルでOK。つまりこの着物以外、特に必要なものはありません。

私はこんな感じで上だけ/下だけ着ることもよくあります。
和洋折衷のアレンジがしやすいのも二部式着物のメリットです。
羽織
和洋折衷で着ることを前提に、羽織だけ買っておく、というのも個人的にオススメです。
お子さんがいらっしゃる場合などは特に、学校で「日本っぽいことして」という雑なイベントの振られかたをすることがあったりなかったりするわけですが、わざわざ着物を着らずとも、ジーンズ&シャツの上に羽織をはおるだけでも、とっても和な感じになります。

アニメ好き界隈には、なぜかこの格好の方が受けたりします。多分こういうスタイルのキャラクターがちょいちょい登場するからでしょう。
羽織はリサイクル品でも素敵なデザインのものが多く出回っています。和洋折衷で着るのであれば、羽織のサイズが少々小さくても問題ありませんし、ジャケットのようなものなので絹(基本洗えない)でも大丈夫かと。
リサイクル品をお求めの場合は、ご近所のリサイクルショップへ立ち寄るか、Shineiさんなどのオンラインショップをチェックするか、あるいはご親族のタンスの奥にしまわれているものがあるかもしれませんので、ぜひ探してみてください。
「海外でも和装」が広まって欲しい!
駆け足で思いつくままご紹介して参りましたが、皆さまの参考になるものがありましたでしょうか。
ぜひこれを入口に親子そろってどっぷりと着物沼につかって私の仲間になって頂きたいという本音が駄々洩れそうですでに洩れておりますが、何はともあれ、自国にオリジナルの衣装があり、それなりに着る機会も残っているというのは、大変良いことだと海外に住んで実感しております。
ぜひ何かしらの和装をお供に、海外へと旅立っていただけたらと思う次第です。