*こちらの記事は、旧サイト「みんなの和装オンライン」からの移管記事となります。
着物といえば正絹のイメージが強いかと思うのですが、私自身はほとんど正絹のお着物を持っていません。
というのも、私は普段着として着物を着ており、家事等で汚れることを避けられないため、「洗えない着物」を着用する機会がほとんど無いからなんですね…。
では代わりに何を着ているのかというと、洗える着物、具体的には「ポリエステル(化繊)」「木綿」「ウール」などで作られているものを着用しています。
その中でも、今回は私が一番気に入っている木綿のお着物についてご紹介します。
Contents
木綿着物のメリット
木綿着物のメリットはつ6あると思っています。
汚れても洗濯機で洗える
一番のメリットは汚れても洗濯機で洗えること。
(本当は手押し洗いをして、半乾きのときにアイロンかけて、ってやった方がいいんですが、私はズボラなので洗濯機を使ってしまいます…。)
私は軽くたたんでネットに入れ、手洗いコースで洗濯機へ、その後ハンガーで干して自然乾燥させています。
1年を通して着られる
木綿生地にもいろいろあるので一概には言えないのですが、木綿の単衣は盛夏以外は着られるタイプも多く、長い期間使いまわせます。
私自身も、真夏以外はしまいこむことなく、1年じゅう木綿着物を着ています。
夏の暑い時期に体温がこもることがなく、冬の寒い時期にヒヤッとした感触がないことも気に入っています。
洋服感覚で着やすい
素材が普段の洋服と同じなので、着ているときも違和感が少ないですし、和洋折衷コーデにも合わせやすいです。
静電気が起きにくい
ポリエステル着物はどうしても静電気が起きやすいのですが、木綿着物ははるかに起きにくいです。
生地がすべりにくい
これは人によって長短あると思うのですが、木綿着物はすべりにくいので、一度着ると着崩れしにくいなと感じます。
一方ですべりが悪いので、着にくい・動きにくいと感じる人もいるのかもしれません。
お手頃なお値段のものも多い
木綿着物は数千円~一万円ほどの価格帯でも良い品がたくさんあります。
オンライン販売が主になりますが、お洒落なデザインの木綿着物を洋服を選ぶような気安さで探せます。
木綿着物のデメリット
メリットの多い木綿着物ですが、一方でこのようなデメリットもあります。
洗濯すると縮みやすい
木綿の性質上、どうしても洗うと多少サイズ感が変わってしまうことが多いのです(特に縦方向に縮みます)。
私の場合は、「洋服もそういうことあるしなー」くらいの感覚で、最初からわざと少し大きめの着物を買っています。
乾きにくい
生地の厚さによりけりですが、ポリエステルの着物に比べると格段に乾きにくいです。
面倒くさがりな私、2日ばかり干しっぱなしにしてしまうことも多々ございます…。
しわになりやすい
綿100%の場合はやっぱりしわができやすいです。
家着物なのであまり気にしていませんが、外出着にするとなるとちょっと気になるかも。
リサイクル品が少ない
木綿着物、今も昔も普段着用なので、状態の良い着物がリサイクル市場に出てくることは稀です…。
雑巾になるまで使い果たされていたのだろうと思うと、それはそれでとても愛おしいのですが、今買うとなると新品の既製品が主になります。
オススメの木綿アイテム
私が愛用している木綿着物をご紹介します。
木綿肌着
私は肌着も木綿のものを愛用しています。
半襦袢は筒袖タイプをよく使っています。
裾避けはレースがついているものを使用中です。
デニム着物
最初の一着としてオススメなのがデニム着物です。
なんといっても丈夫で、お手入れも簡単、どんな帯も合わせやすく、和洋折衷もバッチコイ。
生地の色やデザインに差があるので、ぜひいろいろな商品を見比べて、好みに合うものを見つけてみてください。
私はデニム着物が便利なもので、女性着物と対丈で着るための男性着物の2着を保有しております。
たゆたふ
デニム着物よりはもうちょっと「着物らしさ」が欲しいという方には、たゆたふさんの久留米織の木綿着物がオススメ。
シンプルですが味のある生地なので、無地ほど寂しくなく、でもどんな帯も合わせやすい!
しかもお値段、驚きの9,980円です(記事執筆時)。
私はこちらのグリーンを持っているのですが、色違いでもう一着買いたい…。
きもの阿波和
お気に入り過ぎてしょっちゅう着ているのは、きもの阿波和さんの遠州綿紬です。
写真より実物がもっと素敵なのです…!ほっこりしていてしかしパリっともしている(語彙力)、とにかく着やすいし、疲れにくい。
22,700円とやや高価ですが、阿波和さんではたまに驚くようなセールが開催されたりしますので(私も実は半額セールのときに購入しました)、公式LINEなどを登録いただいて、虎視眈々と購入機会を狙うのが良いかと思われます。
綿混着物
綿混着物は、綿のやわらかさを残しつつ、シワになりにくい・乾きやすいといったメリットを備えている点にあります。
私はこちらの綿混着物を愛用中です。
木綿着物がわかる雑誌
最後に木綿着物が特集されているこちらの雑誌を紹介します!
木綿生地の種類やお仕立ての方法、値段などが載っていて、とても参考になりました。
木綿着物に興味のある方にオススメの一冊です。
木綿着物も選択肢の1つにしてみて欲しい!
着物といえば正絹で、正絹っぽく見えるポリエステルの着物があることは知ってる…、という方は多いと思うのですが、案外「木綿着物」は知られていないような気がしています。
今は着物をお出かけ着として着る方が大半で、普段着として着られていた木綿着物をあえてお求めになる方も少ないからかもしれません。
しかし、着物の形をしていれば十分なおでかけ着として扱われる昨今、おしゃれな木綿着物で街歩きも良いものだと思うのです。
しわになりやすいのが少々ネックではありますが、それを補ってあまりある可愛らしさ、着やすさが木綿着物にはあると思います。
お着物を選ぶときの選択肢の1つとして、ぜひ木綿着物も加えてもらえたら嬉しいです!