サメママ、中学受験を意識する



早いもので、わが家の長女は4月から小学3年生。

小学生になったといっても、1年生の間は幼児の延長のような感じでしたが、2年生の間にボキャブラリーも急速に増え、ずいぶん大人びた気がします。

さて、現在私が住んでいるのは東京都内ですが、こちらは5人に1人が中学受験をするとのこと。

とはいえ、私が今いる地域はさほど受験に熱心というわけでもなく、私自身も「私立学校?それどこにあんの?」みたいなド田舎で育ちましたので、中学受験のことなんてほとんど意識せずに来ていたわけです。が。

先日、インド駐在時代から仲良くしているお友達の家にお邪魔させてもらったところ、そのリビングにはどっちゃりと中学受験の資料が。

「うちの小学校の子はほとんど中学受験するからねぇ。青海ちゃんもとりあえず情報収集はしといたほうがいいよ」と言われ、おすすめの本を数冊貸してもらったわけです。

塾側の視点から中学受験に挑むさまざまな親子の姿を描いたマンガ。受験の基本情報も盛りだくさんで普通に中学受験の参考になる。きっとそのうちドラマ化される。

中学受験の基本がマンガでスピーディーに理解できる。こっちはごく一般的な中学受験する親子目線。マンガムックだが受験する親子のストーリーが絶妙に泣ける。

中学受験ってどういうもの?

気になったらいろいろ調べたくなるタイプなのでいろいろ調べたわけですが、どうやら中学受験とは、小学6年生になると平日は6時間、休日は10時間くらい勉強し、塾に1年間で100~200万円ほど支払い、親は子どものマネージャーとなって並走する、そのように過酷なものであるらしい。

休日10時間の勉強ってどういうことやねん、と( ゚Д゚)このような顔になった私を誰が責められましょう。

あと塾に1年間で100~200万円っていうのもどういうことだ。そのあと私立の中高一貫校に入ったら、そこから毎年年間100万円くらいかかるのに??年収1千万円世帯の1人っ子でも貯金ゼロだったらギリの支出額よ??

「えっぐ!」(たまごじゃない)というのが、最初に抱いた正直な感想でございました。

中学受験のメリット

とはいえ、その「えっぐ!」を承知の上で中学受験に臨む、そのメリットもよくわかるのです。

大きなところでは、私立であれ国公立であれ、中高一貫校に入れてしまえば高校受験がない。大学までエスカレーターなら大学受験もない。(進学テストはあるでしょうが、入学試験よりはラクなことが多いでしょう)

子どもは中学~高校(あるいは大学まで)の多感な時期を、思う存分好きなことに費やすことができますし、親は受験のプレッシャーや手間から解放されます。

また、ここ数年は定員の厳格化により、私立大学の難易度が上がっていますし、都内の中高一貫校は、高校からの入学者数を減らす傾向が見られます。

中学受験のうちに進学校に入っておいた方が「正直安心」という気持ちは、私もよくわかります。

なにより、受験を課している学校は、特色あるカリキュラムを組んでいるところも多く、自分の子どもに合いそうな教育を行っている学校へ進学できる(かもしれない)というのは素晴らしいことです。

中学受験のデメリット

デメリットとしては、まずその過酷な受験勉強を親子で乗り越えなければならないこと。

塾に行くにも私立の学校に通うのもとてもお金がかかること。

合格した学校が家から遠い(通学時間がかかる)可能性があること。

などがあげられるでしょうか。

私立中高一貫校へ行った夫の話

わが家の場合、私は高校まで公立学校、夫は中学受験をして中高一貫の私立校に通いました。

夫の母はいわゆる「教育ママ」で、家庭学習だけで息子を私立につっこんだすごおい方ですが、夫は「受験勉強も楽しかったし、学校も楽しかったし、本人にやる気があるなら子どもも中学受験すればいいと思う」とのこと。

夫は今も中高時代の親友たちとちょいちょい飲みに出かけますし、卒業生のつながりが強い学校なので、仕事でも助かっているそうで。

私立中高一貫校で良かったことは?と聞くと、「世の中自分より賢いやつがいっぱいいるってことが早々にわかったこと」だそう。

勉学で競り合えないなら、何か他のことで負けないものを作ろうと、互いに切磋琢磨できたのが良かったと。

あとは、先生方が独特で、「大学の受験勉強には全く役に立たなかったが、人生においては大事なこと」をいろいろ教わったことだとか。

しかし最後に夫は、「男子校だったことだけは多いに悔やまれる。男の見極め方、扱い方にもある程度慣れておいた方が良いから、娘たちには共学をすすめる」と締めくくっておりました。

公立中高へ通った私の話

私はといえば、小学校の高学年から学級崩壊が始まり、まともに授業が行われないような状況のまま、同じ校区を引き継いだ中学校に上がったので、まぁ、お察しというやつでして…。

とにかくいろんな家庭環境の子がいて、あのカオスな中学校で多感な時期を過ごしたことは、私の価値観の核になっていることは間違いないですし、純粋培養で育ってきた夫に、交際時代「甘っちょろいことばっか言いやがって…!」とケンカを売ったことも数知れずですが、子どもにもあの苦労をさせたいかというと答えは否なわけで。

私はカオスな中学校から、地元の進学校である公立高校に進んだのですが、高校で同級生と話したとき、すごくほっとしたことを覚えているのです。

言葉を選ばずに表現すれば、あれは「同級生に話がちゃんと通じる安堵」でした。

簡単な言葉で表現しようと気を使わなくても普通にわかってもらえるし、「お前何言ってんのか意味わかんねーよ」って笑われることもない。自分の言葉が足りないところは、「それってこういう意味かな?」「たとえばこういうことだよね」とごく自然にカバーしてくれる。ほかの誰かの話が終わるまで皆きちんと待てるし、自分の意見を言っても怒り狂う人はおらず、「なるほど、そう考えるんだね。私の考えとは違うけれど、それもありだね」と尊重してもらえる。

あ、「賢い」ってこういうことなんだ、高校受験がんばってよかったなぁ、とそのときしみじみ思ったわけです。

わが家の選択

実際のところ、このまま娘たちが公立中学校に進学しても、私のようなカオスなことにはならないでしょうし、普通に楽しく過ごせそうではあるので、「絶対中学受験!」とまでは思わないのですが。

最近の中学受験では、知識の有無を問う問題ではなく、「知識の活用」に重点が置かれている問題が増えています。そして問題がかなりボリューミー。

つまり子どもは中学受験のために、「十分な知識を蓄える」→「その知識を適切に短時間で処理(取り出したり組み合わせたり)する」→「相手に伝わるように自分の考えをアウトプットする」という訓練をそりゃもうたくさんしなくちゃいけません。

この訓練、子どもにはすごく良いことだと思うんですよね。大人になって「頭が良い」ってどういうことかというと、「十分な知識と高い処理能力でもって、課題を見つけたり、理想と現実のギャップを埋める方法を見出したりできる」ってことだと思うので、中学受験は十分その基礎訓練になりそう。

そして高校受験や大学受験と違い、中学受験で叩き込まれる知識は、基本的に日常生活+αくらいの「教養としての知識」という印象。つまり、生きていく上で必要な、使える知識が多い。場合分けの方法だとか、都道府県の特徴だとか。

さらにいえば、中学受験は「自分の幼さとの戦い」と評されるように、10歳そこそこの子どもたちがいかに自分を律して、投げ出さず逃げださず、自分のモチベーションを保ちながら勉強を継続できるかがカギになります。

「そんな訓練、子どもらしさがなくなっちゃうわ、かわいそう」というご意見もありましょうが、個人的には娘たちが10歳過ぎたら大人扱いでいいんじゃない…?理性とか忖度とか身に着ける訓練始めていいんじゃない…?と思っておりまして。

なんでかっていうと、私、自分が10歳になったとき、「やべぇもう10歳だよ。10年も人間やってこんなもんか」と思った記憶があるんですよね。えぇえぇ、一般的な子どもの感想でないことは私も承知しておりますよ。でもそんなかわいげゼロだった子の娘たちですから、たぶん似たような感じに育つんではなかろうか。

そういう理由もあって、とりあえず中学受験の勉強をさせてみようと、わが家では結論づけたわけです。

3年生のうちは情報集めを主にがんばる

中学受験用の学習塾は、小学3年生の2月ごろ(新4年生のカリキュラムがスタートするころ)に入るのがスタンダードなのだとか。

「3年も受験勉強するの大変そー、もっと遅くからじゃアカンの”(-“”-)”」と思わないでもないですが、SAPIXのような難関校に強い塾は、4~5年生のうちに6年生までの学習を終わらせ、6年生のときにはひたすら復習するというスタイルをとっているそうで。まぁ、確かにその方が頭に定着しそう。

2月までは余裕があるので、各塾の模試を受けてみたり、短期講習を受けさせてみたりして、どの塾にお世話になるか考えようと思います。なんといっても数百万のお金をつぎこむかもしれないのですからね…、よくよく検討しなければ。

あとは、東京の学校のことを調べたり(両親ともに田舎っ子なので都会の学校が全くわからない)、そもそもの中学受験の基礎知識的なことを頭に入れたりと、主に親が情報集めにいそしむ1年になりそうです。

肝心の長女自身はどうかというと、「私、光ちゃん(東大王で活躍中の鈴木光ちゃんですね)と同じ学校に行きたぁい」と大変ミーハーなお返事。光ちゃんは筑波大学附属中学校という最難関中学に通われておりましたがそこんとこ大丈夫でしょうか。

そんなわけで、今後は中学受験についての記事も(親子ともども受験に飽きてしまわなければ)、ぽつぽつ書いていこうと思います!