
ここのところどうにもストレスがたまっています…。夫が忙しくワンオペ育児が続いているとはいえ、それなりに自分の仕事も充実しているし、子どもたちも元気だしなぜだろう?と考えてみたところ、原因に思いあたりました。ここしばらく夫から毎日のように、同じチームで仕事をしている人の愚痴を聞かされていたのです。
家族ですし、愚痴は大事なストレス発散でもあるので、基本的には大いに歓迎なのですが、ここのところ「ん?」と引っかかることが増えてきたので、それを夫に説明するためにも。ここで内容をまとめておこうと思います。
現在の状況
夫とパートナーを組んで仕事をしているチームメイト(仮にAさんとします)が、それはそれは仕事ができないため(夫談)、ただでさえ忙しいのにフォローが大変。とうとうAさんの仕事は自分が引き取ってやらなければならなくなった、とのこと。毎日毎日「今日はこんなミスをカバーしなければならなかった、今日はお客様から怒りの電話が」と実に大変そうです。が、自分もサラリーマンだったから言うんですが、まぁ…よくあるといえば、よくある話ですよね。
なので私も、そーかそーか大変だねー、ご苦労様、なんて言いながら愚痴にお付き合いしていたのですが、一行に状況が改善する気配がない。というより、「他のチームメイトもAさんにやいのやいの言ってくれてるけど、全然仕事やってくれない」とか「Aさんお腹が痛いとかで3日も会社休んだ」だの、どうも不穏な方へ流れていっている。夫の言動も、最初は「困ったもんだ」という口調だったのが、「何でこんなこともできないんだ、あいつバカなのか」みたいになってくる。夫は外面が良い方ですが、もはやそのイライラを会社でも隠せてはいないようで、周りから気遣われているようです。
で、思うのです。これ、そろそろ夫を止めた方がいいかもしれないと。
自分の身を守るためにも、Aさんを糾弾するのは止めた方がいい
Aさんの「仕事のできなさ」を、夫は相当なものだと感じているようですが(お客さんとの約束を忘れるとか…それは確かにどうなのかと私も思いますが)、だとしてもチームメイト皆で「ふざけんな、ちゃんとやれ」と追い込みすぎるのは危険です。Aさんが心を病むなどした場合、いじめをした張本人として訴えられる可能性もあります。「仕事ができない」=「よってたかっていじめてもいい」ではないのです。
Aさんは「やりたくてもやれない」状況かもしれない
また、Aさんは「やりたくても頭がうまく回らない」状態である可能性もあります。私は出産後半年で仕事に復帰しましたが、夜間授乳による慢性的な睡眠不足が続いたためか、「今さっき話していたことを忘れる」「文字が読めない(頭に入ってこない)」「2つ以上の用事を覚えられない」といった症状に悩まされました(本気で若年性認知症じゃないかと疑い病院に行ったこともあります)。どうしてこんなに頭が回らないのだろうと悲しかったし、チームメンバーにたびたび迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいでした。もしもAさんが同じような症状を持っているのだとしたら、私としては同情を禁じ得ないのです…。
仕事ができないからといって、見下していいわけじゃない
「会社の仕事ができない」というのはAさんの一面でしかありません。もしかすると与えられた役割や仕事内容が、Aさんに合っていないだけかもしれません(会社員時代、部署を異動してイキイキと働き始めた方もたくさん見てきました)。やるべきことをやらないというのは確かに問題がありますが、「きちんとやって頂かないと困ります」が「こんなこともできないなんて、あんたバカか」になるのは行き過ぎです。仕事ができないという一面だけを見て、相手をまるで「全てに対してダメな人」のように扱い、見下すのはとても失礼なことです。
また、この「人を見下した感じ」は、状況を全く知らない相手にも伝わるものです。「Aさんは仕事ができない」という事実を知らない取引相手の前で、夫がAさんに対して見下したような態度を取ったらどうでしょう。取引相手はきっと「(夫は)何て感じの悪い人だろう」と思うはずです。夫にとっても非常に損なことになります。
「仕事ができない」ことを責めるのは、上長の仕事
部下を管理するのは上長の仕事です。夫はAさんの同僚ですが上司ではありません。Aさんについて問題があるのなら、それは上長に申告し、上長からしかるべき手段をとってもらうべきです。自らAさんを叱責したり、仕事ぶりについて評価をする権利は、ただの同僚である夫には基本的にはないと考えるべきです。
人は言葉に支配されやすい生き物です。「あいつは本当に仕事ができないから、俺が尻ぬぐいをしてやっている、肩代わりをしてやっている」と言い続けると、それがただの愚痴だったとしても、段々と脳に刷り込まれて、自分でも意識しないうちに態度ににじみ出てしまうものです。そしてAさんが仕事でうまくいかないと、「そらみたことか」と感じ、「だからあいつは怒ってもかまわない」と思い込んでしまう可能性があります。「Aさんは怒られたって仕方ない」と思うようになるのは、とても怖いことです。大体において叱責はエスカレートし、エスカレートしていることに人は気付けないことが多いのです。
だからこそ、被害を直接こうむっている夫は、その気持ちをAさんにダイレクトにぶつけるべきではないと思うのです。自分の状況については全て上長に報告し、その処断ついては上長判断を待つべきです。上長が何もしてくれない、判断に納得がいかないというなら、それはAさんを責め立てる方に力を注ぐのではなく、さらに上の上長なり、Aさんと関わりのあるチームの上長を巻き込むなり、他の方法を考えるべきです。「なんでそこまで俺がしなくちゃいけない」と夫は感じるかもしれませんが、その方がAさんを守るためにも、ひいては夫を守るためにも、必要なことだと思うのです。
結局、仕事ができない人とはどう付き合うのが正解?
それが可能であれば、「できるだけ関わらない」が最適解なのだと思います。場合によってそうもいかないこともあるでしょうが、その時は「嵐が過ぎ去るのを待つ」、「上司に相談する」、「人事権を持っている人にアプローチ」、「自分が他の部署に異動願いを出す」等、自分でできることを考え出す他ないのかもしれません。
愚痴も悪口も、気の置けない仲間や家族相手なら全然かまわないと思うのです。でもそれが行き過ぎて、問題になっている相手を必要以上に攻撃するようになったら、双方にとって不幸です。さて、夜帰ってくる夫にこれらの私の考えを、端的にさらっと伝えないと…。