
以前書いたこのワンオペ育児の記事がよく読まれていて、同じような状態に置かれている方も多いのかなぁと思う今日この頃です。
http://aomihikari.com/2016/10/11/oneopeikuji/
この記事は「夫が不在」のワンオペ育児について書いたものなのですが、「夫はいるけど家事育児しない」というワンオペ育児な方も多いのではないかと思います。
今でこそ私の夫はいろいろと家事育児に協力してくれていますが、元々「世話焼きタイプのお母さん」に大事に大事に育てられてきた九州の一人ッ子なもので、結婚して第一子が産まれた時くらいまで「家事育児はやってもらって当然」と思っているフシがありました。いや、思っているフシがあるというよりは、家事育児をやらないでいられることに慣れ過ぎて、「自分が家事をやらない分、パートナーである私の負担が増えている」という実感が薄かったんじゃないかと思います。つまり、私が家事育児に目を回していても、それが自分事だとは全然思っていない状態。
そんな夫とは数知れずぶつかり合い、話し合いを重ね、時には若干深刻に(私だけが)思いつめたりしたものの、夫の絶えまぬ努力によって、どうにか現在まで家族が継続できております。どうやって現在まで持ちこたえてきたのか、経験も踏まえてご紹介できればと思います。
なぜ夫は家事育児に参加してくれないのか
-理由①:やらなくてもいいタスクだと思っているから
家の中が汚れていると感じていると仮定します。掃除というタスクをこなさなければと思っているのですが、他のことが忙しく手がつけられません。ちらっと夫を見るとスマホゲームで熱心に遊んでいます。「どうして私がこんなに忙しくしていて、部屋はこんなに汚いのにあなたは掃除しないのよ、キーッ!」と怒るのは簡単ですが、ちょっと待った。夫が掃除をしないのは、「そもそもやらなくてもいいんじゃない?」と思っている可能性があります。
そのタスクは本当に必要?頻度は適正?
えてして勤勉でマジメな方ほどいろいろと気づいてしまい、家事育児のタスクを自分で増やしていってしまう傾向があると思います。キレイ好きな方は毎日掃除機をかけないと気が済まないかもしれませんが、人によっては1ヶ月に1度でかまわないと思う人もいます。「夫が掃除をしない」のは、夫はさほど掃除というタスクを「今すべきこと」ととらえていないのかもしれません。
「夫が十分に家事育児をしてくれない」と不満を感じた場合、まずは抱えている家事育児の様々なタスクについて、「本当にどうしても必要なのか?やらなくても構わないタスクはないか?頻度を減らせるタスクはないか?」ということを考えてみてください。自分で考えて不要なタスクを減らしても良いですが、可能であればご主人と相談しながら決めるとより良いかと思います。「今まで毎日1回かけていた掃除機を週1回にしたいんだけど、どう思う?」といった感じです。相談する中で、お互いに「やらなければならない」と感じるレベルを理解できます。
「自分が快適だと感じる空間を維持するために毎日の掃除機がけは譲れない」といった部分も出てくると思います。その場合は「より気になる方」がタスクの役割を担う方がベターです。気にならない人にやってとお願いしたところで、気にならないんだからやる気も出ないし十分にタスクをこなせない可能性が高いからです。他のタスクをお願いしましょう。
また、できれば「気になる程度」を少しずつ下げて、相手の感覚に歩み寄れるとより良いかと思います。長い人生、「やらなければ」と思うことが多いよりも、「まぁいいや」と思うことが増えた方が、おそらく生きるのは楽になるかと(;´∀`)
ちなみに私、結婚前は「バカマジメ」な人だったのですが、今や夫が「かわいそうに、俺と生活したばかりにこんなに雑な人になっちゃって…」と嘆く程度にはゆるーい人になれました。良いか悪いかはともかく、あまり怒らなくなったかな。
なぜ夫は家事育児に参加してくれないのか
-理由②:やるべきタスクだとは思っているけれど…
では今度は、夫側も「やるべきだよね」と思っているタスクだったとしましょう。それでもやらない理由は以下のようなものが考えられます。
自分以外の誰か(大体はパートナーである妻)がやるべきだと思っている
一般的にはこの理由が多いのでしょうか。さらに掘り下げて、何で妻がやるべきかと思っているかというと、「家事育児は女の仕事だから」「役割分担として妻がやるべきだから」という2パターンがあるような気がします。
家事育児は女の仕事だと思っている場合
昭和か!とツッコミを入れたくなるのは山々ですが、口には出さなくとも案外こう思っている男性はまだまだ多いような気がします。これについては意識改革を地道に行う他はないかと…。
私の夫も、無自覚にこう思っているタイプでした。私も「良き妻、母とは家事育児をひとりでもしっかりやるものだ」と思い込んでいた部分があったんですよね…。でも無理なものは無理。まず、良き妻、良き母を無理に演じるのはやめましょう。情けない気持ちがあったとしても、素直に「できない」と夫に打ち明けるべきです。家事育児が大変な仕事で、妻一人では回らないのだということに、夫側は気付いていない場合があります。
妻の現状を理解し、意識を少しずつでも変えてくれそうであれば、「こうあって欲しい」という理想の姿についてよく話し合いができるといいですね。いきなり180度意識を変えるのは難しいと思うので、決して「どうしてすぐ変わってくれないの!」と怒らず、焦らずに。
我が家では話し合いも何度もしましたが、最初のころはそりゃあハデなケンカばかりしておりましたね…。今では夫婦でオリラジのあっちゃんの「良き夫」論について、「あっちゃんイイ男すぎる」と言いあえるようになりました。
役割分担として当然だと思っている場合
特に奥さんが専業主婦の場合、こう思っている旦那さんも多いのでは。奥さん側で負担に感じていない場合はいいのですが、どの程度の家事を大変と感じるかは個人差が大きいところです。
普段家にいる時間が短いご主人の場合は、そもそも家事育児のタスクの全容が見えていない可能性があります。可能であればタスクを全て書き出し、見える化しましょう。そしてそれを、普段いつ誰がやっているか分類してみると良いと思います。妻側の負担が重すぎるとわかってもらえれば、家事育児への協力を要請できる可能性が出てきます。
家事育児は突発事象も多く、「自分がやりたいと思っていることが、やりたいと思っている時間にできない」ということも大きな負担です。「どうせわかってもらえない」と不満を抱え込むのではなく、相手が理解しやすいような形にまとめてみるのは、自分がどの部分を一番大変と感じているかを明確にする上でも良いと思います。
自分もやるべきだと思っているが手が出ない
物理的に不在(時間がない)でなければ、手が出ないのは「やる気が出ない」のが主な理由ではないでしょうか。やる気が出ない原因と、それの対処法について考えてみます。
疲れている、面倒くさい
この時代、働くのは大変です。気に入らない上司ともうまくやらなきゃいけないし、仕事は増えても給料は増えないし…。疲れていないという方の方が少ないでしょう。
最も効果的な解決方法は、機械化したり、外注したりして、タスクを減らすことです。一番家事育児の負担がかかるのは子どもが小さい時かと思いますが、その時だけだと割り切って、お金で解決できることには積極的にお金を使った方が良いと思います。
とはいえ限度はありますし、24時間住み込みの家政婦さんを雇える方ばかりではないので、夫の協力が必要不可欠な部分も出てくると思います。夫に協力をお願いする時、私は以下のような点に気を付けていました。
・タスクの一部だけをお願いすることから始める(例えば洗濯全てを最初からお願いするのではなく、洗濯機を回すだけ、洗濯物を取り込むだけなど、小さなタスクをやってもらう)
・新しくお願いするタスクは1ヶ月に1個までにする(いきなりあれもこれもやってとお願いしない。段階的にお願いする)
・「こういうやり方でやって欲しい」という要望があれば、最初に必ず伝える(後出しルールは不愉快)
・夫のやり方を尊重する(最初にやり方を伝えたらあとは黙って見守る。うまくいかなかったからといって責めない。自分の方が上手にできるからといって偉そうな態度を取らない。必要な設備投資(料理はするから中華鍋が欲しいとか、育児はするからベビーカーが欲しいとか)を求められたら、可能な限り前向きに検討する)
今じゃ洗濯物の干し方や子どもの洗い方を私の方が指導される始末…。いーじゃん、ちょっとくらい雑でも。ねぇ。
自分にメリットがあると感じられない
人間、やらなければならないとわかっていても、何のメリットも感じられない仕事をするのは気が重いものです。家事育児に協力してくれたら、ご主人がメリットと感じられるようなことを提供できると良いですね。何をメリットと感じるかは人それぞれなので、各ご家庭でご検討頂ければと思いますが、例えば私はこんなことをやっています。
・感謝の言葉を伝える:やってくれるようになればなるほど忘れがちなので、基本ですが気が付いたら「ありがとうね」と声をかけるように心がけています。
・超褒める:相手が「わざとらしいわ!」と苦笑いするまで褒めます。子どもの前でも褒めます。そうすると子どもから夫に「お洗濯もの畳んでくれたってママが喜んでた~」と間接的に伝わります。旦那曰く「のせられている気がしないではないが、やっぱり褒められて悪い気はしない」とのことなので、あの手この手で賛辞を呈するようにしています。
・感謝(または誉め言葉)に必ず「好き」ってつけてみる:夫婦になると「好き」などと言う機会がめっぽう減るので、ここで登場させてみました。用途としては「ありがとう、好き!」とか「さすが旦那!好き!」とかそんな感じです。感謝とか賛辞ってちょっと言葉に距離感がある感じがあるのですが、好きっていう感情的な言葉をくっつけると「ちょうどいい塩梅」になるような気が、なんとなくしております。こちらも旦那曰く、「安売り感半端ないが、それなりに嬉しい」とのことなので、引き続き続けていきたいと思っております。
・夫の自由時間を確保する:特に乳児がいる家では夫も完全に休まりはしないと思うので、たまの飲み会やお友達の誘い、一人でふらっとコンビニに行く時間などは、快く送り出すようにしています。というか、家事育児に協力してくれるようになってからは自然と「行ってらっしゃい、楽しんできてねー」と笑顔で言えるようになりました。
若かりしころは妙なプライドが邪魔をしておりましたが、今や「家事育児に協力してくれるなら、金以外のメリットなら大概差し出す」くらいの勢いです。
最小の労力で、最大の成果を産もう
ワンオペ育児に苦しんでいた当初、私は「どうして私ばかりこんな大変な思いをしなければならないの、どうして夫に「どうか家事育児してください」って頭を下げなきゃならないの」という思いが強く、毎日とてもつらかったです。でもそう思うだけでは何も変わらなかったし、夫とも感情論でケンカするばかりでした。「もっと冷静に話し合いたい、ケンカをしたいわけでも相手を責めたいわけでもなくて、前向きな解決策を考えたい」と気持ちを切りかえたことで、少しずつ関係が前進していったように感じています。
家事に育児に時間がない方がほとんどだと思います。私のように遠回りすることなく、「ワンオペ家事育児の問題を解決する」という目的からぶれずに、ご主人と実のある話し合いができることを祈っています。何かひとつでもヒントになるような部分がありましたら幸いです。